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総合政策学科 学科長メッセージ
総合政策学科の特徴は「多様性」。大学でしか得られない学びを体験しよう。
総合政策学科 学科長三野 裕之
昔の大学はカリキュラムや教育内容にそれほど大きな違いがありませんでした。そのため、受験生が大学を選ぶ際の指標として「偏差値」が重要視されました。しかし現在では各大学が特色を打ち出して「オンリーワン」の大学であろうとしているため、必ずしも偏差値だけが大学選びの基準ではなくなっています。では、本学「総合政策学科」の特色は何でしょうか。
総合政策学科は、ひとことで言うと「社会科学を幅広く学べる学科」です。法学や経済学など特定の学問分野を専門に学ぶのではなく、これらに加えて経営学・社会学・政治学・メディア学なども含めて幅広く学ぶことにより、複雑な現代社会の問題を多角的に捉え、総合的に考えていきます。本学科には多様な専門分野において優れた業績を有する専任教員が揃っています。カリキュラムの学問分野や教員の専門分野の「多様性」こそが本学科の大きな特徴です。
近年はAI(人工知能)の発達が著しく、これまで人間が行ってきた創作活動に少なからず影響を与えています。例えば楽曲やイラストを自動生成するサービスが最近話題になっています。また、2022年に公開されたAIチャットボット「ChatGPT」は学問の世界に衝撃を与えています。ChatGPTのAIはアメリカのMBA(経営学修士)の卒業試験に合格できるレベルのレポートを作成できます。すでに欧米の多くの大学ではChatGPTを利用したレポートや論文の作成を禁止しています。AI以外の分野でも、大学の講義レベルの動画をYouTubeなどで手軽に閲覧することができます。このような時代にあって、大学で学ぶ意義とは何でしょうか。
その問いについて考えるためのわかりやすい例として「音楽のライヴ」を考えてみましょう。CDや配信で高音質の音楽が聴けるし、DVDやYouTubeでアーティストのパフォーマンスも観られるのに、人はなぜライヴに行きたがるのでしょうか。それは、実際にその場にいないと得られない「体験」が得られるからです。会場の臨場感や一体感、同じ趣味を持つ仲間との出会いなど、SNSとは異なるリアルな「つながり」はかけがいのないものです。大学も同じです。生活環境が異なる友だちと触れあい、教室で発表したり討論したりすることで互いに刺激を与え合うライヴな体験はオンライン学習だけでは得られません。ぜひ総合政策学科で多様な学びを体験してください。ともに学びましょう。
略歴
1965年山口県生まれ。早稲田大学教育学部社会学科卒業。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。
財団法人電気通信政策総合研究所(現・一般財団法人マルチメディア振興センター)嘱託研究員、財団法人マルチメディアソフト振興協会(現・一般財団法人デジタルコンテンツ協会)職員を経て、1994年尚美学園短期大学専任講師。
2000年4月、尚美学園大学総合政策学部専任講師。准教授を経て、2009年4月より現職。
著書:『客観報道 もう一つのジャーナリズム論』(成文堂、1999年)(共著)、『デジタルメディア概論』(ムイスリ出版、2003年)(単著)、『コミュニケーションの政治学』(慶應義塾大学出版会、2003年)(共著)、『ガバナンス』(北樹出版、2005年)(共著)、『デジタルメディア社会の展望』(ムイスリ出版、2011年)(共著)、『考える情報学2.0 アクティブ・ラーニングのための事例集』(樹村房、2016年)(共著)など。