イベント情報

  • TOP
  • イベント情報

音楽表現学科 ポップスコース主催「佐藤竹善先生 特別講義」開催報告

1月25日(木)、芸術情報学部 音楽表現学科 ポップスコースでは、プロのミュージシャンであり同学科・コースの藤田千章先生と共に組まれているバンド「SING LIKE TALKING」のヴォーカルを担当される佐藤竹善先生をお招きし、「佐藤竹善先生 特別講義」を開催いたしました。

今回の講義では、事前に行った学生へのアンケート回答内容を盛り込みながら、ヴォーカルについて特化した内容をお話しいただきました。
講義前半では、ヴォーカルにおけるスピリット的な面についてお話され、ヴォーカリストの役目として、「音楽のジャンルによってそれぞれ異なり、こうあるべきという法則はないが、ただひとつ共通するものとしては、そこで鳴っている楽器の音色と一体となり、ひとつに溶け合いとても心地よいと感じたなら、それは良いヴォーカルになっている。これを感じられなければヴォーカリストとして失格である」とお話しされました。

続いて、どのような鍛錬をしてきたかについては、「自分の好きなミュージシャンのレコードを擦り切れて何度も買い直すくらい聴き込み、完全に同じように歌えるように練習してきた。その過程で、声の出し方、ビブラートのスピード、息を吸う場所、音を切るタイミングなど、細かな要素を観察するとたくさんの発見がある。この作業がそのままトレーニングとなり、様々な要素を理屈でなく感覚的に取り込み、自分のスタイル確立へとつながった。」と印象的なエピソードと共にお話されました。
また、ヴォーカリストとして「自分のために歌うことは大切である」とお話されました。「これは一見、自己満足に聞こえるかもしれないが「自分のためだけに歌う」こととは全く異なり、自分が表現したいことに共感してもらうことで、自分とお客さんが共鳴していることを実感する。歌い手は自分の表現力を磨くことに徹底すれば、自然とお客さんは感動する。これが表現者とお客さんの対等で健康的な関係である」と説明されました。

講義後半は、ヴォーカルのテクニカルの部分についてお話しされました。歌について何よりも大切なのは、しっかりリズムに乗り、気持ちの良いグルーヴが生まれているかであることを、参考音源の試聴に佐藤先生の実演を加え、丁寧にご説明いただきました。学生たちは佐藤先生の圧倒的な技術、表現力に圧倒されている様子でした。
また、「歌に関して上手いという表現は曖昧なものであり、それぞれの聞き手にとっていいものが正解である。第一線で活躍する素晴らしいミュージシャンは、その技術を超えた自分の個性と魅力にたどり着くために、自分の好きなミュージシャンを子供の頃から真似て歌いながらそのメロディーや表現に感動し楽しみながら様々な要素を身に付けてきた。ここにいる学生さんたちも同じように自分が凄い!格好いい!と思うミュージシャンの歌や演奏に感動し楽しみつつ練習すれば、ただ練習するよりも何倍も早く上手くなっていくはず。ポイントは練習の量より感動の量」とお話しされました。

そして講義終盤は、佐藤先生によるピアノ弾き語りが行われました。対照的な2曲を披露いただき、会場全体が佐藤先生の奏でる音楽の世界に引き込まれ、その圧倒的な表現力に魅了されていました。

講義の最後は、質問コーナーとして「リズム感を養うには?」「歌う前にしていることは?」「SING LIKE TALKINGの『Together』に取り組んでいるが、メンバーと演奏が合わない。どうしたらいいか?」「MCはどのようにやっているか?」など、学生からの様々な質問に実演も加え丁寧にお答えいただき、講義が終了となりました。

尚美学園大学twitter 尚美学園大学YouYube