尚美学園大学 SHOBI UNIVERSITY
学科長 メッセージ

音楽表現学科 学科長 メッセージ

An die Musik~音楽に寄せて~

「芸術は長く人生は短し」という故事成語は、古代ギリシャの医者ヒポクラテスが医術の修業を志す人に言った言葉「医術を修得するには長い年月を要するが、人の一生は短いものだから、怠らずに勉学に励め」と励ました言葉がもとになっており、転じて人の一生は短いが、すぐれた芸術作品は長く世に残るということと、芸術作品を完成させるには長い年月を費やすものだが、人生はあまりにも短すぎるということを表しています。

現に私の授業でも、「仮に人生80年としたら人間の一生は29,220日しかない。一日一曲ずつ曲を勉強し続けても、世の中に存在する名曲数は莫大で、人間の一生をもってしても未だ聴いたことがないままに死んでしまう。だから、貪欲に練習し、勉強の時間を大切に!」と学生達に話しています。

ところがリュッケルトは、「経験は数千年前からなされてきたが、その跡をたどっても無駄である。他人が自己のために経験したことは、そのまま諸君には通用しない。諸君は己れ自身のために経験し直さねばならない。」と説いています。正に、経験と学びの本質を突いた言葉ですね?歴史は流転すると言いますが、だから長い歴史の中で人類は同じ過ちを繰り返すのでしょう。

尚美学園大学音楽表現学科の先生方が学生と接する時は、自らの経験のもと、親身になって、自分が若い頃に経験した同じ失敗をさせないために、効率よく修得するためのアドバイスをしてくれることでしょう。しかし、それだけではただの受け身の姿勢で終わってしまいます。大切なことは、与えられた課題以上に自主的な達成目標を持ち、積極的にスキルアップを重ねることで音楽の世界で生きていける人材となるのです。

人間は音楽によって勇気づけられ、音楽によって癒されてきました。そんな人生に必要不可欠である音楽の、近い将来の担い手になってみませんか?シューベルトの歌曲「音楽に寄せて」のように音楽に感謝しながら、一緒に学びましょう!

学科長プロフィール

音楽表現学科 学科長
後藤 文夫

東京藝術大学音楽学部を経て同大学院修士課程音楽研究科修了。学部在学中に安宅賞を受賞する。ユーフォニアムを箕輪響、三浦徹、故大石清の各氏に師事。過去9回のリサイタルを開催。88年までは、主に吹奏楽の分野を中心に多数の演奏会、レコーディングに参加。89年にはユーフォニアム・テューバ四重奏団『獅子座』を結成し、8回の定期公演や各種コンサートを実施。また、この年以降は管弦楽のテナーテューバ・バストランペット奏者として活動を転換し、NHK交響楽団、東京都交響楽団等で数々の公演と録音に出演し好評を博す。95年に『いちばん易しいユーフォニアムレッスン~君のはじめての音をつくる本~』を執筆。2000年5月から6年間、日本ユーフォニアム・テューバ協会理事長の要職を務めた。尚美ウインド・ フィルハーモニー常任指揮者。