10月14日(日)
第21回関東大学女子サッカーリーグ最終戦
尚美学園大学 VS 関東学園大学

 
いよいよ最終戦の関東学園大学戦。会場は第2戦以来の十文字学園女子短期大学天然芝グラウンド。だいぶ気温も下がり、肌寒さがまもなく冬の到来を感じさせる・・・。

前日は大学行事の関係で勤務だったため、練習は一切見れず・・・。しかし美馬コーチの話では雰囲気もよく確認練習ができたとのこと。

現在、全勝の関東学園大学に1敗の尚美学園大学。この試合で尚美が勝っても、勝敗で並び得失点差の争いになるという、条件的にも関東学園大学が有利な状況で迎えている。

さて、関カレ(関東大学女子サッカーリーグの略称)も尚美にとっては今年度最後のリーグ戦。怪我で戦列を離れていたミカコも戻り今日は12名。それに中瀬と美馬コーチ、蒲原トレーナーの計15名である。さすがに部員たちに緊張の色は隠せず、この1戦にかける意気込みが伝わってくる・・・。先月の関東学園大学グラウンドで破れたリベンジをとそれぞれが思い思いにこの試合にかけている。そんな中14:00に関東学園大学戦キックオフ。

試合がはじまると、相手のフォーメーションが今までと違う。尚美も前回の敗戦以来陣形を変えて臨んだのだが、それにより戸惑いをみせたのは尚美のほうであった。

徐々に数的不利になり、先制点が関東学園大学に入る。左サイドからのクロスを逆サイドに渡りシュート。GKが反応したが止めきれずに奪われる。(0-1)直後勢いは完全に相手ペース。今度は右サイドからのクロスを手薄になったゴール前でヘディングシュートを決められ2点目を許す。(0-2)

それから尚美も反撃に転じる。サイドから攻撃をしかけ、シュートを放つも、サイドネットやゴールのバーをたたき得点ならず・・・。

こう着状態が続く中、前半終了間際に距離は遠いがゴール正面の位置でファールをとられフリーキック。バーギリギリの高さに打たれたボールをGKが何とかさわったが、はねかえったボールをなだれ込むようにつめてきた相手に押し込まれて失点。(0-3)直後に前半が終了した。
さらに厳しい状況に追い込まれたが、まずは1点ずつ返していくこと。そうすれば流れが変わること、そしてリードされている以上多少のリスクを背負っても前に仕掛けていくことを伝えて後半へ・・・。 
勢いに乗った相手は、後半も怒涛の攻撃をしかけてくる。しかし耐えしのぎ徐々に尚美ペースとなる。
ところが、前がかりぎみになったところを相手のカウンター攻撃を受け、スピードにのった相手FWの選手とGKが1対1となり、落ち着いて決められ失点。(0-4)

以前であれば気落ちして大量失点してもおかしくない状況であり、勝つしかない尚美には緊張の糸が切れてもおかしくはなかったが、みな前を向き、残り時間に全力を出し続けるひたむきさを継続していく・・・。そんな中、ペナルティエリア右側でボールを受けたアヤナが左足を振りぬきシュートを放つ。距離は遠かったが、ゴール左隅に弾丸ライナーが突き刺さりようやく1点を返す。(1-4)

その後は完全に尚美ペース。気持ちを前面に出した1つ1つのプレーが相手に威圧感を与え、勢いは完全に押せ押せムード。しかし相手も最後のゴール前では身体を張って得点を許さない。相手もチームとしての気持ちが充実しており、簡単には崩れない・・・。残り時間も最後まで諦めずに戦ったが試合終了のホイッスル。リーグ2敗目を喫して、チーム初年度に初参加した関カレは幕を閉じた・・・。

選手は先月の関東学園大学戦以降本当によく考え、モチベーションを高めてチームとしてもまとまってきた。そんな中ピッチでも数々の素晴らしいプレーを見せてくれた。

決定的なシーンを度々防いだヒトミ。息をきらせながら相手を阻止し攻撃ではクロスをあげ続けたアミ。予測とポジショニングで身体を張ったカナコ。持ち前のセンスを生かして後半は攻撃参加しリズムを作ったヤジ。相手の13番とガチンコ勝負を繰り広げたユリ。時には前線まで上がってリズムを作り、最後まで走り続けたアオイ。攻撃時ではパスセンスを活かし、今日はDFでもしつこさをみせたミナイ。サイドを何度も駆け上がり決定的シーンを作ったサヤカ。怪我をおしながら、ユリとのポジションチェンジでリズムをもたらしたハルナ。声をかけ続け、ちょっとしたチャンスも逃さずシュートを打ち続けたアボ。そして2人がかりでマークにあいながらも最後までチームを引っ張り得点したアヤナ。怪我によりピッチに立つことはなかったが、最後までベンチから応援し続けたミカコ・・・。
まだまだスタッフも含め、経験が足りないことを実感した。とにかく悔しく、最後まで戦い抜いた選手たちを見るのは辛かった・・・。
その後、お互いが気を使い試合前は挨拶程度で一切近寄らなかった関東学園大学のY先生と会話をした。

中 瀬:「ありがとうございました。今日もやられました。」
Y先生:「いやぁ、うちも冷や冷やものだったよ。正直きつかった。」
中 瀬:「でも陣形を変えてくるとは思いませんでした。」
Y先生:「先制点がほしかったからなのと、あれもこれも器用なことはできないからお前はここだけでいいからやってみろって・・・。」
中 瀬:「実際そのエリアでは厳しかったです。」
Y先生:「これからもうちと尚美はいいライバルだと思っているから、リーグ中はお互い遠慮しあったけど、今度は練習なんかも一緒にやっていこうよ。」
中 瀬:「ありがとうございます。」
Y先生:「昨年うちは全日本の県大会も負けて関カレもなかったから、昨年9月から今年の3月まで何にもなくて、目標もなく声もなくて本当にどうしようかと思ったよ。まだまだこれから、頑張ろう。」

やはり簡単には事が運ばないのを実感した。関東学園大学は尚美より1年早く女子サッカー部創部。初年度も部員1名と、ことごとく似たような歩みをしてきたチームであり、部を創りあげていく過程でも全く同じような出来事を自分より1年早くY先生が色々と経験されている・・・。
今回の経験が、選手たちをひとまわりもふたまわりもサッカーを通して様々な場面で成長してくれることを切に願うばかりである。
また新たに目標を立て信念を持ち、部訓である「志あるところ道ありき」を忘れず進んでいきたい。そしてここまで保護者並びに教職員の応援やサポートに感謝したいと思う。本当にありがとうございました。今後も宜しくお願いいたします。(H.N)




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