リクルートワークス研究所による6月の調査では、2021年卒業予定者の求人倍率は1.53倍で、2020年卒者の1.83倍から0.3ポイント減少しており、この影響が強く現れています。特に本学に関係するエンタメ・イベント系、放送、映像制作の分野、また、サービス、運輸、旅行業界などでは採用の中止や延期が相次ぐなど、こうした業界を志望する学生にとってはより厳しい状況となっています。一方、影響が比較的少なかった業界や、これまで人材不足で苦心していた流通業界や建設業界などでは、当初計画通り採用活動を行っています。このような状況の中で就職を希望する学生には、特定の業界や企業だけでなく、視野を広げ、幅広く自分の可能性や進路を探っていくことが求められています。今後、採用活動を控えていた企業の活動再開に合わせ、キャリア・就職課でも企業からの採用情報の収集を進め、学生と連携した丁寧な進路相談を実施してまいります。キャリア・就職課では、秋セメスター以降もオンライン配信やWEBシステム等を活用しつつ、常に学生との接点をもつことを心掛けながら3年次生の就職活動の支援を行っていきます。8一方、企業が独自に行うインターンシップについては年々増加しており、今年度もオンラインや個別、少人数での実施など、感染対策を施しての実施が計画されています。また従来の就業体験型インターンシップに加え、近年では1~2日程度で、業界や企業、仕事を紹介するインターンシップ(1日のみのものは「ワンデー仕事体験」という名称になっています)を実施する企業も多くなっており、このタイプのものでは、10月~2月に実施され、参加者に早期選考が案内されるケースもあります。 いずれにしても、インターンシップは、自分を見つめ、業界や企業、仕事を理解する上でも、また就職活動の前哨戦としても重要性が高まっており、マイナビのモニター調査によると、2021年卒業予定者の85.3%が今年の2月までのインターンシップ(1日のみのものも含む)に参加しているという報告もあります。本学においてもインターンシップに参加することを促進しています。しかし、今年度これまで就職情報サイトを活用して企業にエントリーした学生は、7月の時点で昨年比で80%程度と減少しています。一方、エントリーの企業数自体は昨年比で120%となっており、インターンシップへの関心はあっても、なかなか参加に踏み込めない状況が伺えます。尚、秋セメスターにおいても学業に支障の無い範囲で、積極的に参加できるようサポートを続けてまいります。こうした中、これから社会に飛び込む学生には、様々なツールによるコミュニケーションに対応する能力、多くの情報から必要かつ重要なものを見極め適切に対応する能力、そして何よりも自分なりの目標や考えを持ち、周囲と協同しながら物事を進めることのできる能力など、新しい社会と付き合う力が求められています。キャリア・就職課では、学生との対話や繋がりを深めることが新しい社会に適応するための重要な機会であると考えています。今後も新しい対話や情報配信の形を工夫し、常に学生との接点を持つことを心掛けてまいります。3年生に関しては、秋セメスターには「進路登録カード」の提出と個別面談により進路の方向や希望について確認し、自己分析や履歴書・エントリーシートの書き方、面接対策などのセミナーや講義、様々な業界や企業、職種の理解を深める「業界・企業・職種セミナー」などをオンライン開催し、本格化する就職活動の準備を支援してまいります。そして実際の就職活動の際には、書類の添削や模擬面接の実施など、きめ細やかなサポートを行います。また、就職活動が上手く進んでいない4年生に対しては、個別相談を中心にしつつ、採用情報の提供の場として「学内会社説明会」や、ハローワークや人材サービス会社と連携した「求人紹介会」を開催するなど、様々なサポートを続けてまいります。2020年度の就職活動の動向今年の3月に卒業した大学生の就職率は厚生労働省と文部科学省による調査によると、4月1日時点で98%と調査開始以来最高となり、2021年卒業予定者の就職活動も「売り手市場」で推移するものと思われていました。しかし新型コロナウイルス感染症は、2020年の大学生の就職活動にも大きな影響を及ぼすこととなりました。2020年度3年次生進路・就職ガイダンス2020年度春学期オリエンテーションは5月下旬にオンラインでの実施となり、3年生の就職活動のキックオフとなるキャリア・就職課の「進路・就職ガイダンス」もオンライン動画配信という形での実施となりました。また、例年5月~7月に実施していた「インターンシップ説明会」、「自己分析セミナー」などは学内実施が見送られ、大学主催のインターンシップも中止となったことから、マイナビやリクルートキャリアなどの就職情報サービス会社の協力を得て、オンライン動画ガイダンスやセミナーの案内、さらに就職情報サイトなどを介して申込を行うインターンシップの参加促進、就職情報サイトへの登録強化、企業の探し方の情報配信など、工夫を凝らしながら就職活動の始めとなる情報の提供を実施してきました。学生の反応としては、学生ポータルシステムの視聴数や既読数の状況や就職情報サイトの登録者数が前年を大きく上回ったことから、3年生がしっかり自分の進路について意識して活動を始めようとしている様子が伺えました。2020年度インターンシップ動向について本学では毎年8月・9月の夏休み期間中に大学主催のインターンシップを実施してきました。昨年は両学部50名が20の企業や団体に1~2週間就業体験を行い、実践的な社会体験から自らの将来像を模索し、新たな課題や目標の確認を行うことが出来ましたが、今年度は実施が困難となりました。2020年度キャリア・就職課の支援について新型コロナウイルス感染症は世の中の仕組みを大きく変えようとしています。大学生活においてもオンライン授業が行われ、情報の配信も学生ポータルシステムやLINEなどの情報ツールを利用したものが主流となるなど、コミュニケーションの形が大きく変わりました。また企業や社会においても、先行きが見通せない中で、存続を目指し必死に改革や改善への取り組みを始めています。キャリア・就職課より
元のページ ../index.html#8