交響詩ジャングル大帝2009年改訂版 公式サイト 「インタビュー&寄稿:日本フィルハーモニー交響楽団」


第338回名曲コンサート 2010年4月18日(日)サントリーホール
『華麗なる冨田サウンドの世界~交響詩ジャングル大帝~』に寄せて

「以前にレコーディングした、あの『ジャングル大帝』のオーケストラ演奏会を実現できませんか?」
そのようなご提案を頂いたのは、2009年秋頃のことでした。嬉しさと共に、何か大きなものへの挑戦であると感じました。それはなぜか。私の中にうっすらと現れたいくつかのハードルがあったからです。

『以前のレコーディング』とは非常に現代的なものでした。弦楽器・管楽器・打楽器、いくつかの部屋に別れて録音し、ヘッドホンでほかの楽器の音を聞き、マエストロの姿もモニターで確認する。録音技術を駆使し、オーケストラを細分化して機能させるような、いわば『音のステンドグラス』でした。出来上がった作品は楽器の音がイキイキし、音の加工により命が吹き込まれ、サラウンドの機能も装備、さらにナレーション入りで映像つき、耳も目にも面白い作品へと昇華されていました。まさに「レコード芸術」です。
年間150公演以上コンサートホールで演奏会を行っている日本フィルにとって、非常に新鮮で衝撃的な体験でした。オーケストラ自身が持っている力以外に、大きな魅力が加わって輝いた作品だったのです。


一旦完成度の高い芸術的作品に仕上がって世に出た『ジャングル大帝』の生の演奏会。ホールで演奏をするならば、様々な録音技術に頼らない生の力をどう表現すれば良いのか、ここは課題だと受け止めました。
同時に、スコアにはいろいろな仕掛けがかかれており、『ジャングル大帝』とは壮大なスケールのオーケストラ作品で、この作品をホールという同じ空間でお客様と共有できたら、記憶に残る演奏会になる!ことも容易に理解できました。

この瞬間、手塚治虫と冨田勲二人の巨匠が作り上げた音楽物語「ジャングル大帝」を、オーケストラという生きた楽器が物語り、その空気を2000人のお客様と一緒に体験するという、得がたい時間への挑戦が始まりました。

日本フィルハーモニー交響楽団
河村由紀子(企画制作部)

日本フィルハーモニー交響楽団
1956年創立。楽団創設 の中心となった渡邉曉雄が初代常任指揮者に 就任。幅広いレパートリーと斬新な演奏スタイルで、ドイツ・オーストリア系を中心としていた当時の楽壇に新風を吹き込み、大きなセンセーションを巻き起こす。その後イゴール・マルケヴィチ、シャルル・ミュンシュなど世界的指揮者が相次いで客演、1964年にはアメリカ・カナダ公演で大成功を収め、創立から10年 足らずの間に飛躍的な発展を遂げました。現在、サントリーホール、東京芸術劇場、横浜みなとみらいホールでのコンサートをはじめ、年間約150回のオーケストラ公演を行っています。

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